おしゃれなキャンプテーブルはたくさんありますが、日本古来の伝統的な美しさと、日本の古き良き時代の懐かしさを取り入れた「ちゃぶ台」スタイルが今回のテーマです
ちゃぶ台スタイルのキャンプテーブルと言って真っ先には思いつくのは、人気のsnowpeak「ワンアクションちゃぶ台竹」です
photo by snowpeak
文字通りワンアクションでテーブルが開くギミックは、さすがスノーピークという感じ テーブルの材質である竹の質感もほどよく、懐かしの「ちゃぶ台」を演出しています
今回レビューする「関美行堂」の「Nodate Chabuシリーズ」は、知名度ではsnowpeakには及ばないものの、日本古来の伝統的な木工技術と漆塗りの技術を駆使した美しく懐かしいローテーブルです
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コンテンツ
ちゃぶ台について
今も現役で使っていたり、昔はあったけど今はもう使っていなかったり、人それぞれちゃぶ台との距離感は違いますが、なんとなく懐かしい、なんとなく落ち着くと言った感覚は多くの人が共通して持っているのではないかと思います
例えばちゃぶ台と聞いて思い浮かぶことは、サザエさんちのような「一家団欒」だったり、巨人の星の「ちゃぶ台返し」だったりしませんか?
そんな日本人の心の奥深くに無意識に溶け込んでいるような存在であるちゃぶ台ですが、そもそもいつ頃から存在していたものなのでしょうか?
ちゃぶ台の歴史
調べてみると、実は歴史はそんなに古くないんです
ちゃぶ台が使われ始めたのが明治初期、普及したのが昭和の初め、そして廃れていったのが昭和の終わり頃と、だいたいここ100年ぐらいの話です
ただそれより前にちゃぶ台のようなものが存在しなかったと言うわけではなく、平安時代まで遡ると、貴族の間では中国から入ってきたテーブルを囲んで食事をとるということがあったそうです
でも鎌倉時代、すなわち武士の時代になると、「身分」や「格」と言うものがが重んじられるようになりました。これは食事の様式にも当てはめられ、各々には格に応じた「膳」が配られるスタイルになります
「膳」の食事スタイルはしばらく続きますが、明治になると士農工商が廃止されて法律的には四民平等、しかも多種多様な西洋文化が流入してきました
その一つがダイニングテーブルを囲んで家族が集まって食事をする様式で、これを畳中心の日本家屋に取り入れると、床座して天板の低い食卓を囲み食事をとる、と言うスタイルになったと言われています
これがちゃぶ台の原点です
それでも明治から大正にかけてはまだ格式を重んじる膳スタイルの家庭が多かったのですが、関東大震災あたりを境に一家団欒のちゃぶ台スタイルに変わっていったそうです
イメージ的にはちゃぶ台は日本の伝統的な食事のスタイルのように思いますが、実はその歴史は意外と新しく、明治から始まった和洋折衷の産物ということがわかります
ただそれも、戦後の洋風化の流れの中でダイニングテーブルに徐々に取って代わられていき、現在に至っています
ちゃぶ台メリットデメリット
そんな古き良き昭和の時代を象徴するようなちゃぶ台ですが、そもそもどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
改めて整理してみます
メリット
- 折り畳めるので持ち運びが簡単
- 片付けておけばスペースが有効活用できる
- 円形なら座る場所や人数がフレキシブル
- 上座下座がなく全員平等
デメリット
- 立ったり座ったりがめんどう
- 天板の面積が小さめ
まとめると、ちゃぶ台の歴史からも読み取れるように、みんなが等しく接する(語り合う)場としてちゃぶ台は優れていると言えます そう考えると、キャンプにはもってこいのテーブルと思いませんか?
ちゃぶ台の形
次にちゃぶ台の形について考えてみます
どんなちゃぶ台も、概ね天板の高さは30センチ前後で変わりませんが、その形は千差万別
ただ大きく分けると丸型と四角の2種類です
ではそれぞれの形にどんなメリット・デメリットがあるでしょうか
四角いちゃぶ台
メリット
- 他の家具等と平行に配置できるので無駄なスペースが生まれにくい
デメリット
- 座る位置が限定されるので人数が固定化される
- 座る位置によって食卓に手を伸ばしにくい
円形のちゃぶ台
メリット
- 座る人数に融通が利く
- どこに座っても食卓に手を伸ばしやすい
デメリット
- 空間に無駄なスペースが生まれる
こうして整理してみると、人数が決まっている時は四角、そうでない時は円形の使い勝手が良さそうです
キャンプでちゃぶ台の使い方
ちゃぶ台のメリット・デメリットを整理した上でキャンプでの使い方について考えてみます
まずインドアで言うダイニングテーブルとちゃぶ台の違いは、アウトドアで言うとハイスタイルとロースタイルの違いに相当します
ただハイスタイルのちゃぶ台というのはちょっと考えにくいので、今回のレビューではロースタイルを前提にしています
まず天板の高さですが、人間工学的に、床座で使う場合は25cmから30cmぐらいが適切と言われています
使う人の体格や大人か子供かと言ったことに左右されますが、だいたいその範囲の高さならば大きな問題はないでしょう
少し高さがズレていたとしても、ちょっと手が届きにくくなると言ったぐらいです
ローチェアと合わせて使う場合ですが、チェアの座面の高さと同じかそれよりも若干高いくらいが使い勝手が良いようです
キャンプ用のローチェアの座面はだいたい25cmから30cmのものが多いですから、結果的に床座でもローチェアでも、天板高さが25cmから30cmのちゃぶ台を選べば失敗はなさそうです
次に形ですが、大きく分けて四角か円の選択になります
サイトレイアウトを考えた時に、やはりレイアウトしやすいのは、無駄なスペースが生まれにくい四角です
ですが、フィールドはアウトドア!
一度レイアウトを決めるとなかなか変更できないインドアとは違って、自由な発想で自由に空間を使えるのがその魅力です
それよりもちゃぶ台本来の魅力である「団欒」に視点を置いて、円形を選んでみるのもたまにはいいかもしれません
ちなみにワンポールテントをお持ちのキャンパーさんには絶対絶対円形をお勧めします
その答えは後ほど!
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関美工堂とは
本題である「Nodate Chabu」の説明の前に、製造・販売元である「関美工堂」について簡単にみてみましょう
関美工堂は福島県会津若松に本拠地をおく昭和21年創業の老舗のトロフィーや楯などを製造・販売する会社で、
日本で初めて「楯」を商品化したことで有名です
得意とするのは天然木材を用いた楯製造ですが、木加工技術以外にも、楯製造に関わる塗装技術、金属・樹脂加工技術、装飾技術を生かし、各種ノベルティグッズや、内装や看板、インテリア小物、漆製品など幅広く手がけています
その他にも平成17年に会津若松にライフスタイルショップ「b Prese(ビープレゼ)」をオープンし、デザイン性の高い生活雑貨やギフト雑貨を中心にセレクトして販売してます
このセレクトショップ、結構おしゃれでデザイン性に富んだ雑貨類がたくさん並んでいます
キャンプとは別に一度のぞいてみると楽しいです
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Nodate Chabu
いよいよ本題、Nodate Chabuをレビューしていきましょう
特徴
まずはNodate Chabuの特徴です その名の通り「ちゃぶ台」ではありますが、キャンプギア風に言うと「折りたたみが可能なフォールディングローテーブル」といったところでしょうか
photo by b-prize
全てがハンドメイド、全てが天然素材
天板は軽くて丈夫、木目の綺麗な桐を使っており、それに漆塗りを施すことで耐久性にも優れています
この漆塗りは地元会津の伝統工芸である「会津塗」の技術を継承した塗り職人が担当
塗り以外にも会津を中心とする地元職人の技術を結集し、木材加工から、手塗りによる“拭き漆仕上げ”、天板裏面の焼き印まで、約1ヶ月半をかけて丁寧に作られています
Photo by 藤巻百貨店
さらに、こだわりキャンパーさんに是非お勧めしたいのは、「使い込むとツヤが増す」、いわゆる経年変化が楽しめること
そして、割れ、欠け、塗り直しなどの修理が可能であること
良い道具を丁寧に大切に使い続けることで次第に愛着が湧き、自分ならではのこだわりキャンプギアになっていく
そんな道具との付き合い方が、こだわりキャンパーさんの感性にピッタリマッチすると思います
組み立て方
Nodate Chabuの特徴の一つは持ち運びができること 組み立ては非常に簡単、動画で見てみましょう
Movie by 和風通信オプション
組み立ての動画をご覧になった方、Nodate Chabuが入っていた半円形のキャリーバッグ、気になりませんでしたか? Nodate Chabu専用のコットン100%のキャリーバッグです
Photo by b-prize
おしゃれな半円形のバッグはNodate Chabuにジャストフィット、側面にはWave Mollがついていて、写真のようにレジャーシートを固定したりカラビナを引っ掛けたりできる優れものです
写真はロゴなしバージョンですが、世界的に有名な会津出身のペインターMAHKさんデザインのロゴありバージョンもあります
Photo by b-prize
カラーバリエーション
カラーバリエーションは透き漆(茶)、墨黒、紅緋の3種類です 何にでも合うのはオーソドックスな透き漆ですが、例えば最近流行りのブラックテントと墨黒を合わせる、赤いテントやタープと合わせて紅緋を選ぶなど、自分のサイトにうまくマッチさせるとおしゃれ感アップです
透き漆 photo by 藤巻百貨店
墨黒 photo by 藤巻百貨店
紅緋 photo by 藤巻百貨店
スタイル・サイズラインアップ
サイズは天板の直径が50cm、70cm、90cmの3種類
目安としては、50cmがソロ、70cmがペア、90cmが3〜4人のファミリーやグループサイズです
そして声を大にしてアピールしたいNodate Chabuの秀逸なところがこのワンポールテント用
Photo by b-prize
天板の真ん中に穴が空いていて、テントのど真ん中に設置できるアイデアは、ワンポールテント派のキャンパーさんならかなり心が揺らぐんじゃないでしょうか? ただ、せっかくのおしゃれで美しいちゃぶ台なので、テントの中だけで使うのはもったいないかもしれませんね・・・
仕様まとめ
カラバリ、サイズ、スタイルごとの仕様をまとめます
Nodate Chabu 50 | Nodate Chabu 70 | Nodate Chabu 90 | |
サイズ | 直径50cm | 直径70cm | 直径90cm |
高さ | 19cm | 24cm | 24cm |
重さ | 1.3kg | 2.6kg | 3.8kg |
素材(本体) | 桐(本漆) | ||
素材(脚) | シナ合板(本漆)、珪藻土補強 | ||
素材(蝶番) | エルク革 | ||
色 | 透き漆(茶)、墨黒、紅緋 |
まとめ
おしゃれだけじゃない“美しいちゃぶ台” Nodate Chabuをレビューしました
改めてちゃぶ台の良さを再考し、キャンプとのマッチングの良さを再発見
会津の伝統工芸に携わる職人の技術を結集して丁寧に作られたNodate Chabuは、「気の合う仲間や家族と語らう大切な時間を演出してくれる道具」そんな表現がぴったりな洗練されたキャンプギアではないでしょうか